米プロフットボールNFLのニューヨーク・ジャイアンツは、米資産家コーク一族のジュリア・コーク氏らに少数持ち分を売却することで合意したと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

非公開情報だとして関係者が匿名で語ったところでは、10月に他のNFLオーナーに今回の合意を提示する見込みだという。ただ、協議は双方の最終合意を前提条件としており、破談となる可能性もまだある。

コーク家とニューヨーク・ジャイアンツの広報担当はいずれもコメントを控えた。

ジャイアンツは2月、オーナーのマーラ家とティッシュ家が少数持ち分売却の可能性を探るため、投資銀行モーリスを起用したと発表。売却対象となる持ち分は最大10%で、ジャイアンツの評価額は100億ドル(約1兆4800億円)超と、プロスポーツチームで過去最高クラスとなる可能性がある。

ジャイアンツは1925年にNFLに加盟した5チームの一つで、その後はマーラ家が所有してきた。91年にティッシュ家が持ち分の半分を取得。当時の評価額は約1億5000万ドルとされていた。スポーツ業界情報サイトのスポーティコによると、現在の評価額は102億5000万ドルと、NFLのチームで3位となっている。

コーク一族はニューヨークのスポーツ資産への投資を模索してきた。

故デービッド・コーク氏の未亡人であるジュリア氏と3人の子供は2024年、米プロバスケットボールNBAのブルックリン・ネッツなどを所有するBSEグローバルの15%を取得。この取引でBSEの企業価値は60億ドルと評価された。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、ジュリア氏の純資産額は789億ドルに上る。

高額な放映権契約に加え、プライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドがオーナーとして認められたことで、NFLチームの価値はここ数年、急上昇している。

原題:New York Giants Agree to Sell Minority Stake to Koch Family (1)(抜粋)

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