(ブルームバーグ):株式取引アプリ運営などを手がける米ロビンフッド・マーケッツの7-9月(第3四半期)決算では、利益が市場予想を上回った一方、暗号資産(仮想通貨)取引収入は予想に届かなかった。
同社はまた、ジェイソン・ウォーニック最高財務責任者(CFO)が来年1-3月(第1四半期)に退任し、シブ・ベルマ氏が後任に就くと発表した。
5日の発表資料によると、7-9月期の純利益は前年同期比271%増の5億5600万ドル(約856億円)。希薄化後ベースの1株利益は0.61ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均(0.53ドル)を上回った。一方、暗号資産取引収入は300%増の2億6800万ドルと急増したものの、市場予想を下回った。
ロビンフッドのブラッド・テネフ最高経営責任者(CEO)は声明で「当社チームの迅速で絶え間ないプロダクト開発が7-9月期の記録的な業績をもたらした。われわれはスピードを落とさない」と述べ、予測市場は急速に拡大し、銀行サービス事業のロビンフッド・バンキングが始動しつつあり、ベンチャー投資事業ロビンフッド・ベンチャーズも立ち上がると説明した。
ロビンフッド株は決算発表後の米時間外取引で一時1.6%安を付けた。年初来では約4倍に上げており、7-9月期にはS&P500種採用を追い風に上昇が加速した。
ロビンフッドは近年、取引への依存低減を図り収益源の多様化を進めている。今週初めには、住宅ローン会社セージ・ホーム・ローンズと提携し、顧客の住宅ローン利用が可能になると発表。さらに、米個人投資家が非公開企業に投資できるクローズドエンド型ファンドも立ち上げる計画だ。
テネフ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、予測市場への進出により株式市場の取引時間外でも利用者がロビンフッドにとどまるようになったと説明。「ロビンフッドは、365日24時間いつでも市場で取引や投資ができるプラットフォームになりつつある」と語った。
また同社は暗号資産交換業者ビットスタンプと連携して機関投資家向けサービスを拡大しており、「間もなくこの動きがさらに加速し、当社の事業のより大きな一部を占めるようになるだろう」と述べた。
原題:Robinhood Crypto Revenues Miss Estimates, CFO Leaving in Q1 (2)(抜粋)
--取材協力:Bella Farr、David Scheer.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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