(ブルームバーグ):米フロリダ州はワクチン接種義務の全廃に動いている。デサンティス知事(共和党)が自身の保守的政策をさらに推し進める中で、同州は全米で学校児童の予防接種義務を撤廃する最初の州になる可能性がある。
同州のラダポ公衆衛生長官は3日、タンパ近郊バルリコでのイベントで、「フロリダ州保健局は知事と連携し、州におけるあらゆるワクチン接種義務の廃止に取り組む。一つ残らず、全てだ」とし、接種の強制は「間違っており、侮蔑と奴隷制を想起させる」と述べた。
ラダポ氏は、知事が自らの権限だけで廃止できる接種ルールもあるが、全ての義務を撤廃するには州議会議員らが立場を明確にする必要があると語った。その上で、人々は自ら判断する権利を持つべきだと話すと、会場からスタンディングオベーションが送られた。ラダポ氏はデサンティス知事が新設した「メイク・アメリカ・ヘルシー・アゲイン(米国を再び健康に)」作業部会のメンバーとなる。
この動きは、米公衆衛生政策を巡る州の分断拡大を浮き彫りにしている。カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州の民主党知事は3日、最近の疾病対策センター(CDC)の混乱に対応するため、「ワクチンに対する国民の信頼を高める」ことなどを目指して、公衆衛生に関する同盟を設立する計画を発表した。
4日にはケネディ厚生長官が上院厚生委員会の公聴会に出席する予定。公聴会の焦点はワクチンやCDC改革になる見込みだ。
医師でもある上院厚生委員長のビル・カシディ議員(共和党)は、子どものワクチン接種を廃止するフロリダ州の計画を強く非難。
「これは公衆衛生上極めて有害であり、ワクチンで防げる疾病が学校で流行し始めるだろう。疫学的データに基づいた判断ではなく、はしかにかかった子どもが学校に来て他の子どもに感染させることになる」と連邦議会で記者団に語った。
原題:Florida Takes Steps to End All Vaccine Mandates in the State (2)(抜粋)
--取材協力:Steven T. Dennis.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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