(ブルームバーグ):ソフトウエア大手の米セールスフォースの四半期売上高見通しは低調な内容となり、人工知能(AI)関連製品が期待ほど早く成果を上げていないことが示された。新興AI企業との競争が強まっている。
3日の発表資料で、8ー10月(第3四半期)の売上高を102億-103億ドル(1兆5100億-1兆5250億円)と予想。アナリスト予想平均は103億ドルだった。契約済みで将来計上される売り上げの指標であるRPOは10%を「やや上回る」伸びを見込み、アナリスト予想平均と一致した。
投資家の間では、既存のソフトウエア企業が新興のAIベンダーに追い抜かれるのではないかという懸念が高まっている。AIが顧客の業務の一部を代替して人員を減らす可能性があるため、ユーザー数に応じて課金するアプリケーションを提供するセールスフォースのような企業は特に懐疑的な目で見られている。
バークレイズのアナリスト、レイモ・レンショー氏は決算発表後のリポートで「投資家は自律型AIアシスタント『エージェントフォース』に関する数字を確認し、来月開かれる年次会合『ドリームフォース』を待って熱意を高める必要がある」とコメントした。
セールスフォースは、販売開発などの作業を人の監督なしでこなせる「エージェントフォース」の利用を顧客に促している。同社は、この製品を昨年末に投入し、これまでに6000件を超える有料契約を締結したと明らかにした。今年5月には、このツールの年間経常収益(ARR)が1億ドルに達したと説明したが、3日には同数値を公表しなかった。
株価は米株式市場の通常取引終了後の時間外取引で約4.5%安。3日終値は256.45ドルだった。年初来では23%下落している。モルガン・スタンレーのアナリスト、キース・ワイス氏は決算発表前のリポートで「AIによる破壊的変化という物語が強まっている」と述べていた。
5-7月(第2四半期)の売上高は9.8%増の102億ドルとなった。RPOは11%増の294億ドル。一部項目を除いた1株利益は2.91ドルだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は売上高が101億ドル、1株利益は2.78ドルだった。
また、既存の自社株買いプログラムに200億ドルを追加し、総額500億ドルを上限とすることも発表した。
原題:Salesforce Projects Weak Sales Growth, Fueling AI Anxiety (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.