(ブルームバーグ):中国の電子商取引(EC)大手アリババグループの4-6月(第1四半期)は、人工知能(AI)ブームの恩恵を受け関連事業の収入が大幅に増加した。ただ、フードデリバリー事業での美団および京東集団(JDドット・コム)との競争激化が響き、予想外の減益となった。
第1四半期の営業利益は前年同期比3%減の350億元(約7200億円)となり、市場予想を下回った。売上高は前年同期比2%増の2477億元にとどまり、こちらも市場予想に届かなかった。
AI関連製品の売り上げは3桁台の伸びを記録し、AIブームの恩恵を受けるクラウド部門では売り上げが26%増と予想を上回った。
アリババは、AIを中心としたテクノロジー分野を強化している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは29日、アリババがAIサービスの運用を可能にする半導体を開発したと報じた。
中国のフードデリバリー市場では長年にわたり美団が圧倒的なシェアを誇ってきたが、2025年に入り京東が金銭的に余裕のない消費者向けに大規模な補助金を提供。美団とアリババも追随を迫られ、三つどもえの価格競争に突入した。

投資家の関心は現在、アリババが利益率を圧迫するこうした競争に今後も加わるのかどうかに集まっている。
同社は記録的な規模の投資をAIサービスやコンピューティング分野に振り向ける方針を明らかにしている。
また、業界の監督当局が警告を出したことを受け、「無秩序な競争」をやめることを競合他社とともに誓約している。

アリババの株価は今年、他のEC企業を上回るパフォーマンスを見せている。ラザダやアリエクスプレスなど、世界的に知られるオンラインショッピングプラットフォームを傘下に持つ国際事業の成長に加え、中国におけるAI開発の先駆的企業の一つであることが評価されている。

原題:Alibaba’s AI Revenue Climbs Even as China Food War Hurts Profit(抜粋)
--取材協力:Debby Wu、Zheping Huang、Yazhou Sun、Peter Elstrom、Amy Thomson、Ville Heiskanen.
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