ニュージーランド(NZ)政府は、外国人富裕層の一部を対象に高級住宅の購入を認める方向で検討している。外国人による不動産購入を禁止する措置に例外を設け、富裕層の誘致を図る狙いがある。

公に話す権限がないとして匿名を希望した複数の関係者によると、NZの連立政権はこの特例措置について9月1日の閣議で協議する予定。承認されればすぐに発表される公算が大きいという。

同関係者によれば、購入できるようになるのは500万NZドル(約4億3300万円)以上の住宅で、対象者はいわゆるゴールデンビザ(査証)の保有者に限定される。法改正を伴うため、年末まで実施はないという。

ラクソン首相の報道官はコメントを控えた。

2018年以降、NZで住宅を購入できるのは国民と納税者のみで、外国人で可能なのは協定を結ぶオーストラリアおよびシンガポールの人々に限られる。この制度は、住宅価格の高騰に加えて、ペイパル共同創業者のピーター・ティール氏がわずか4度の訪問でNZ市民権を得た問題を受け、当時のアーダーン首相が導入した。

NZは4月、富裕層の誘致と停滞する経済の活性化を図ってゴールデンビザ制度を刷新。地政学的リスクが高まる中、安全な逃避先を求める富裕層から関心が高まったが、不動産の購入は禁じられたままだった。

移民局のデータによると、8月8日時点でゴールデンビザの申請数は267件で対象は862人。想定される最低投資額は総額16億3000万NZドルで、申請の約40%は米国からだった。

原題:New Zealand Weighs Relaxing Home-Buying Ban for Rich Foreigners(抜粋)

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