化粧品小売りの米アルタ・ビューティーは28日、個人消費の先行きについて警戒感を示しながらも、上期の好調な業績を踏まえ、通期の売上高見通しを上方修正した。

クリス・リアリオス暫定最高財務責任者(CFO)は5-7月(第2四半期)決算に関する説明会で、下期の既存店売上高の伸び率は横ばいから1桁台前半になるとの見通しを示した。5-7月期と比べると伸びが鈍化することになる。

発表資料によると、5-7月期の既存店売上高は前年同期比6.7%増と市場予想を上回った。

「個人消費を巡る不確実性が続いていることを踏まえ、慎重な姿勢を維持するのが賢明だと引き続き考えている」と同CFOは説明した。

アルタの株価は時間外取引で一時9.1%上昇した後、上げ幅を縮小した。28日の通常取引終値まで年初来では22%上昇。S&P500種株価指数の11%を上回るパフォーマンスとなっている。

今回の決算は、消費者が支出を続ける中でも小売業者が見通しを控えめにしていることを浮き彫りにした。

消費者がトランプ米政権の関税政策による物価高を懸念し、生活必需品への支出を優先する中でも、アルタは化粧品需要の底堅さを背景に業績を伸ばしてきた。

2026年1月通期の売上高は120億-121億ドル(約1兆7630億-1兆7780億円)との見通しを示し、従来の最大117億ドルから引き上げた。既存店売上高については最大3.5%増と予想。従来は最大1.5%増としていた。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の小売りアナリスト、リンジー・ダッチ氏はリポートで、「アルタ・ビューティーの25年売上高見通し引き上げは控えめな印象だ。経済の不確実性が背景にあるとみられ、さらなるサプライズの余地を残している」と指摘した。

原題:Ulta Sees Sales Slowdown in Warning for Consumer Spending (1)(抜粋)

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