(ブルームバーグ):来週の円相場は狭いレンジでの値動きが続く見込みだ。週末に発表され、米国の金融政策に影響を及ぼす可能性がある雇用統計の見方は割れており、円の対ドル相場の先行きも強弱観が交錯している。
◎東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジスト
- 米雇用統計が悪化すれば、9月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げの可能性が出てくるため、ドルは若干上値が重くなりそうだ
- ただ、米国株に資金が流入し続けセンチメントは悪くなく、ドルの下値では日本企業による実需のドル買いが確実に入り、極端な円買いも想定できない
- 投機筋のドル売りポジションも縮小しており、ドルが下がったところでは買い戻しが入る可能性もある
- 予想レンジは1ドル=145円80銭-148円80銭
◎オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- 米国の緩やかなインフレ継続と雇用悪化の綱引きで、147円を中心とするレンジが続く見込みだが、どちらかといえばドルは上方向とみている
- 9月の0.25%の米利下げはほぼ当確だが、年内あと1回やるかどうかはデータ次第で、足元の年内2回強の織り込みはやや行き過ぎだ
- 川上の米生産者物価指数(PPI)が大きく上昇し、川下の物価に波及する可能性があることに加え、来週発表される景気指標は米経済がまだ底堅いことを示す可能性がある
- ドルが下がったら下値を拾っていくスタンスだ
- 予想レンジは1ドル=146-149円
来週の主な予定
- 1日:米休場(レーバーデーの祝日)
- 2日:氷見野日銀副総裁が道東地域金融経済懇談会で講演と会見
- 5日:7月の毎月勤労統計
- 5日:8月の米雇用統計
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