(ブルームバーグ):米規制当局は、新型コロナワクチンの改良版を承認した。ただ、今秋の接種対象は従来より大幅に限定される見通しだ。ケネディ厚生長官は今年に入り、ワクチンに批判的な姿勢を示していた。
米食品医薬品局(FDA)は27日、現在主流となっている「JN.1」系統に対応したワクチンの改良版を承認。接種対象は65歳以上と、基礎疾患があり新型コロナで重症化リスクが高い人に限られる。この条件に当てはまらない人も、医師の承認を得れば接種は可能。昨年は医師の診察を受けなくても全員が接種できたが、今回は条件が大きく絞り込まれた格好だ。
季節ごとのワクチン承認は通常、形式的な手続きにとどまり、注目を集めることは少ない。しかし、ここ数年はワクチン接種を巡る議論が大きな争点となっている。ワクチン批判で知られるロバート・ケネディ・ジュニア氏が厚生長官に就任して以降、その傾向は一段と強まっている。
ケネディ長官の下、厚生省傘下の各機関はワクチンに対して一段と厳しい姿勢を示している。5月には食品医薬品局(FDA)が、高齢者と基礎疾患のある人にのみ接種を認める方針を発表した。対象外の人が接種するには医師による適応外処方が必要で、保険が適用されない可能性もある。
接種対象を絞ることで、今後数カ月の間に感染者や重症化する人が増える恐れがある。ただ、ワクチン接種は敬遠される傾向も強まっていた。米疾病対策センター(CDC)によると、昨秋に提供されたコロナ改良版ワクチンの追加接種を受けたのは、成人で23%、子どもでは13%にとどまった。
原題:FDA Curbs Covid Vaccine Access as RFK Jr. Takes Tougher Stance(抜粋)
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