トランプ米政権1期目の副大統領マイク・ペンス氏は21日、米政府がインテルに出資し、エヌビディアによる中国向け人工知能(AI)半導体販売から利益の一部を得る方針に懸念を示した。

同氏はブルームバーグテレビジョンの番組「バランス・オブ・パワー」に出演し、「これはトランプ・ペンス政権時代には採用しなかった戦略だ」と述べた。

「日本製鉄から得た黄金株や、インテルの収益から一定割合を得るといった最近の議論について、大きな懸念を抱いている」と表明した。

ペンス元副大統領が語る

トランプ大統領は2期目に入り、製造業の雇用を米国に回帰させ、重要産業を保護し、貿易不均衡を是正する目的で、企業への政府関与を強化する方針を打ち出している。

トランプ氏は日本製鉄によるUSスチール買収の一環として、米政府がUSスチールの黄金株を日本製鉄から確保すると発表。この枠組みにより、政府が企業の意思決定に関与する可能性が生まれる。こうした措置は他国では一般的だが、米国では異例だ。

同氏はまた8月に入り、米半導体メーカーのエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が、中国向けAI半導体売上高の15%を米政府に支払うことで合意したと発表した。

ペンス氏はエヌビディアとの取り決めを「さらに問題が多い」と批判。「国家安全保障を守るための輸出規制はすでに存在している」と指摘した。

「このように売上高の15%を単に取り上げることは、国益にも国家安全保障にも資するものではない」と主張し、「この問題全体を一度立ち止まって考えるべきだ。私が政権に助言する立場であれば、大統領に対しても、再考すべき時が来ていると伝えたい」と述べた。

また、「国営企業は米国のやり方ではない。自由市場こそが米国の道だ」とも語り、「税と規制が少ない中で競争が行われる民間セクターこそが、歴史上最も繁栄した経済を築き上げた。われわれがこの道を進み続けるなら、それは常に真実だ」と強調した。

原題:Pence Urges Trump to Rethink Nvidia Deal, Equity Stake in Intel(抜粋)

--取材協力:Hadriana Lowenkron、Tyler Kendall、Michael Shepard.

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