(ブルームバーグ):英政府統計局(ONS)が14日に発表した4-6月期国内総生産(GDP)は前期比0.3%増で、民間エコノミストとBOEの双方による0.1%の予想を上回った。リーブス財務相に一定の安心感をもたらす一方、イングランド銀行(英中央銀行)にとっては追加利下げのハードルを高める結果となった。
6月単月でも予想の2倍の0.4%増だった。4、5月は小幅な減少だった。市場ではこの結果を受け、イングランド銀による利下げ予想がわずかに後退し、ポンドは小幅に上昇した。

英国は今年上半期、スターマー政権が繰り返し掲げてきた、主要7か国(G7)で最も速い経済成長を達成したことになる。ただしエコノミストらは、その成長の多くが労働党政権下での公共支出拡大によってもたらされていると指摘している。
それでも、第2四半期には経済の主要部門の一部でプラスの動きが見られた。製造業は米国向け販売へのハードルが高まる中でも0.3%拡大。成長を牽引したのはサービス部門で、特にIT・通信分野ではコンピュータ・プログラミングやコンサルティング業務が好調だったほか、保健・社会福祉分野も堅調だった。

リーブス氏による260億ポンド(約5兆1700億円)の給与税引き上げ、インフレ率を上回る家庭向け光熱費の値上げ、住宅購入への課税強化、さらにトランプ米大統領による関税措置などの打撃を企業や家計が受け、困難な時期になると予想されていた期間も、英国経済は持ちこたえた。
この結果は、イングランド銀の利下げ継続の判断を一層難しくしている。12日に発表された雇用統計は、雇用の減少が当初予想より小さかったことが示された。市場では、今年の追加利下げを完全には織り込まれておらず、来年の政策金利は3.5%程度で落ち着くとみられている。
イングランド銀は7日、経済活動の減速を理由に、この1年で5回目となる利下げを実施した。ただ、最近のインフレ急騰への懸念から、金融政策委員会(MPC)のほぼ半数がこの決定に反対した。
原題:UK Growth Tops G-7 as Government Spending Helps Fuel Economy(抜粋)
--取材協力:Mark Evans、Joel Rinneby、市倉はるみ.
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