チョコレート商品で知られる米食品大手マースは、「M&M’s」や「スキットルズ」など代表的な菓子4種類について、天然着色の製品を来年から提供する。米食品医薬品局(FDA)のマカリー長官と会談した2日後に発表した。

発表は7月24日にマースの菓子部門マース・リグレーの公式サイトで行われたが、さほど注目を集めなかった。食品企業に人工着色料の自主的な廃止を促すトランプ政権の取り組みに対し、菓子メーカーは最も消極的な業界とみられてきた。

今回の発表は人工着色料を最重要課題とするケネディ厚生長官に配慮する動きとも受け取れる。消費者の間ではより自然な選択肢を求める声が高まっており、一部の州では新たな規制が導入された。ウェストバージニア州が2028年から人工着色料を含む食品の販売を禁止する。

ただマースは、全ブランドで人工着色料の使用をやめるには至っておらず、取り組みを続ける姿勢を示した。「全ブランドに適用できる効果的で柔軟な方法を特定できた段階で、追加の製品に関する約束やスケジュールを知らせる」と説明した。

FDA報道官は、人工着色料を巡るマースの取り組みを歓迎。「親や消費者、公衆衛生にとっての勝利」だと評価した。なお、マカリー氏の公開スケジュールによれば、同氏とマースの代表は7月22日に面会していた。

マース以外の食品会社も幅広い製品で人工着色料を撤廃する方針を示している。ハーシーの場合は6月終盤、チョコレート「ハーシー」やキャンディー「ジョリーランチャー」を含む全製品について27年末までに人工着色料を廃止すると表明した。

原題:Mars Said That Naturally Dyed M&M’s and Skittles Are Coming (1)(抜粋)

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