(ブルームバーグ):ウォール街のボーナス見通しが改善に向かいつつある。市況が回復する中で、金融業界の大部分のセクターで賞与の支払いが増加する見込みだ。
報酬コンサルティング会社ジョンソン・アソシエイツが5日公表した最新リポートによれば、今年はスタートこそ勢いを欠く展開だったが、投資銀行バンカーやヘッジファンド運営会社の社員、資産運用専門家らの2025年末のインセンティブ報酬は増えそうだ。
トランプ米政権発足後の貿易戦争と地政学的緊張が企業活動を抑制する結果、ボーナスの支払いが減ると見込まれた時期もあったが、予想より好転した。
ジョンソン・アソシエイツのマネジングディレクター、アラン・ジョンソン氏は「おおむね明るい年末になりそうだ。3、4カ月前に考えていた状況から大きく変化した。金融サービスはかなり好調で、市場の変動や相場の回復基調から恩恵を受けるケースもある」と指摘した。
リポートによると、そうしたボラティリティーの高まりが取引の需要を促し、今年の株式トレーダーのボーナスは最大30%増加する可能性がある。債券トレーダーも増えると考えられるが、10-20%と比較的控えめな数字が想定される。
投資銀行バンカーにとっても、企業の合併・買収(M&A)や他のディール関連の活動が上向き始めた。アドバイザリー部門のボーナスは5%程度の控えめな改善にとどまるものの、今後のディールの「力強い供給ライン」が期待されるという。

原題:Wall Street Bonus Pool to Grow as Bank Revenue Boosted by Rally(抜粋)
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