(ブルームバーグ):ビッグデータ解析や人工知能(AI)関連のソフトウエア開発を手掛ける米パランティア・テクノロジーズは、過去1年で567%という驚異的な株価急騰を実現し、創業者や会社の黎明(れいめい)期に入社した社員らが巨額の資産を手にしている。
とどまるところを知らない株価上昇の恩恵を受け、最高技術責任者(CTO)のシャイアム・サンカー氏(43)も10億ドル(約1470億円)以上の資産を持つ「ビリオネア」の仲間入りを果たした。パランティアから生まれたビリオネアは、4人の共同創業者に続き5人目で、創業メンバー以外では初めてだ。
4日の米株市場で、パランティアの株価終値は160.66ドルと上場来高値を更新。ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、サンカー氏の純資産は13億ドルに達した。
株価の爆発的高騰は、昨年11月の大統領選でのトランプ氏当選後に始まった。新たな政府契約を相次いで発表すると、2月半ばまでに株価は2倍を超えて値上がりした。米陸軍は7月末、パランティアとの既存の契約75件について、最大100億ドル相当の10年契約に一本化すると明らかにした。
8月4日の取引終了後に発表した4-6月(第2四半期)の売上高は前年同期比48%増加した。AIが事業に与える「驚異的影響」に同社は言及した。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、アレックス・カープ最高経営責任者(CEO)の純資産は143億ドル、スティーブン・コーエン社長は58億ドル。会長のピーター・ティール氏は238億ドルの純資産を保有するが、パランティア株が占める割合は6割程度にとどまる。
パランティア株は、一般投資家の購入意欲も引き続き旺盛だ。バンダ・リサーチの6月のデータによれば、テスラ、エヌビディアに次いで買越額3位にランクされる。567%という過去1年の株価上昇率は、S&P500種株価指数の構成銘柄中で、群を抜いて最も大きい。
パランティア(本社デンバー)の広報担当にサンカー氏の純資産に関するコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
原題:Palantir’s 567% Gain Makes Sankar Firm’s Fifth Billionaire (2)(抜粋)
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