(ブルームバーグ):31日の外国為替市場で円相場は1ドル=149円台前半に上昇。米国の利下げ期待後退を受けたドル買い・円売りが一服した。日本銀行の金融政策決定会合に対する警戒感も円を支えている。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、前日はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げに関して言質を与えず、市場はドル買いで反応したと指摘。ただ、米雇用統計などデータ次第で9月利下げの可能性は十分あるとし、今後利下げが意識されていけばドル・円の上値は重くなるとの見方を示した。
日銀は31日の金融政策決定会合で政策金利を据え置き、2025年度の物価見通しを上方修正する見通しだ。日米関税協議の合意などを踏まえた新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)や午後の植田総裁の発言から、利上げ路線の行方を探ることになる。
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役は、ドル・円は上昇が速かったため、日銀会合前のスピード調整もあって上値が重いと言う。「日米が貿易合意したとはいえ、経済全般に不確実性が残るほか、政治の不透明感もあるため、植田総裁は早期利上げを意識させるタカ派的なトーンはそれほど出せないのではないか」と述べた。

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