(ブルームバーグ):2024年に世界の飢餓人口は減少したことが、国連が28日に発表した報告書で明らかになった。アフリカでは栄養不足に陥る人が増えたものの、アジアおよび南米での状況改善が奏功した格好。
国連食糧農業機関(FAO)のリポートによれば、十分な食料を確保できなかった人の割合は、2023年の8.5%から2024年には8.2%に低下。東南アジア、南アジア、南米における食料安全保障の改善が、世界全体の比率低下を後押しした。

今回の改善は、2020年以降に食品価格の上昇が総合インフレ率を上回る経済環境の中で実現した。食品価格上昇は、新型コロナウイルス禍やロシアによるウクライナ侵攻、気候変動などによってもたらされた。
こうした価格上昇の影響を最も大きく受けたのは貧困国。アフリカでは健康的な食事をとれない人の数が2023年の8億6400万人から増加し、2024年には10億人を超えたという。

また同リポートによれば、肥満と女性の貧血はいずれも増加傾向にある。さらに、子どもの栄養不良は食品価格の上昇によって悪化する恐れがあると同リポートは指摘している。
原題:World Hunger Easing Despite Rise in Food Prices, UN Report Says(抜粋)
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