(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のチポローネ理事は「経済が相反するシグナルを発している」と述べ、追加利下げの是非について新たな見解を示す前に状況がさらに明確になるのを待つ構えを示した。

チポローネ氏はスロベニアの日刊紙デロとのインタビューで、消費者心理の弱さが個人消費への脅威だと指摘。「前倒しの効果が巻き戻され、不確実性が続けば、設備投資や輸出に下押し圧力をかける可能性がある」と述べた。
一方で、労働市場は依然として底堅く、国防やインフラへの支出拡大も今後の経済活動の支援材料になるとした。
「貿易の混乱によるユーロ圏の物価への影響を見極める必要がある。それにはサプライチェーンに対する影響や、ユーロ圏による中国からの輸入増加にすでにつながっている貿易の迂回(うかい)も含まれる」と述べた。
ECBは24日に開いた政策委員会で、政策金利の据え置きを決めた。追加利下げに向けた明確なガイダンスは示さなかったが、欧州連合(EU)と米国との通商関係の行方が次回政策会合の重要な要素となる。
原題:ECB’s Cipollone Is Seeing ‘Conflicting Signals’ in Economy(抜粋)
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