マイケル・セイラー氏率いる米ストラテジーが計画している優先株の発行規模が28億ドル(約4100億円)に膨らんだ。当初の予定は5億ドルだった。事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。

同社は暗号資産(仮想通貨)ビットコインへの投資で知られる。24日に価格が決定した優先株「ストレッチ」は年間9%という高い配当率を満期なしで支払い続けるという異例の設定。

ストラテジーは21日、今後のビットコイン購入資金を調達するため、変動金利の永久優先株「シリーズA ストレッチ」を500万株発行する計画を発表していた。同社は以前、マイクロストラテジーと呼ばれていた。

米ネバダ州のイベントに参加したセイラー氏(5月29日)

これまでとは異なり、ストレッチは配当率の調整が可能な点が特徴。株価を100ドル近くに維持するために必要なら配当率を毎月上げ下げするという。関係者によると、優先株は額面価格100ドルに対してレンジ下限の90ドルで発行される。

小口投資家を中心とするセイラー氏の支持者から歓迎されるとみられる一方で、ストラテジーの複雑な資本構成の不確実性が増すことになる。同社の収益性は低下しており、企業価値は保有するビットコインの価値に比べて相対的に低下している。

同社は現在、約60万枚のビットコインを保有。その評価額は約700億ドルに上る。

ストレッチは、同社の普通株や優先株「ストライク(STRK)」、「パーペチュアル・ストライド(STRD)」よりも優先順位が高いが、転換社債や優先株の「ストライフ(STRF)」には劣後する。

原題:Michael Saylor Amps Up Bitcoin War Chest With $2.8 Billion Sale((抜粋)

--取材協力:Dave Liedtka、Yiqin Shen.

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