(ブルームバーグ):16日の債券市場で超長期債の利回りが一転して急低下した。最近の上昇(債券価格の下落)を受けて割安感が生じており、米長期金利が時間外取引で低下に転じたことも支援材料になった。
新発30年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い3.06%、新発40年債利回りも同じ幅下がって3.38%を付けた。長期金利指標の新発10年債利回りは1.5bp低い1.57%。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、値ごろ感から買いが入ったと指摘。「超長期債は特に出来高が小さく、誰かが買いに入ると値が飛びやすい」と語る。このところ金利上昇が急激だったことに加え、参院選で野党が優勢なことは織り込み済みなので「参院選までに新しい材料が出なければ超長期債は落ち着く方向だろう」と言う。
20日投開票の参院選を前に各種の世論調査で与党の劣勢が伝えられ、野党が主張する財政拡張に対する警戒から超長期金利はこのところ上昇傾向を強めていた。新発30年債利回りは前日に一時3.2%と1999年の入札開始以降の最高水準に上昇した。与党の過半数割れはおおむね織り込まれたとの声が出ており、金利の上昇が一服するか焦点だ。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは超長期金利の大幅な低下について「昨日までに相場が大きく下落した反動による買いが入ったのだろう」と語る。その上で、「参院選後の財政出動への警戒感は残っているが、急激な金利上昇は一服し、参院選の結果待ちのムードになっている」と述べた。
15日の米国市場では消費者物価指数(CPI)を受けて利下げ観測が後退した。米10年国債利回りは前日比5bp高い4.48%程度に上昇したが、時間外取引で小幅低下に転じた。
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