米国債市場で弱気ムードが強まりつつある。関税に伴うインフレリスクや一部主要国の政府支出拡大への懸念が背景にある。

JPモルガン・チェースが実施した最新の米国債顧客調査によれば、投資家のネットロング(買い越し)は、過去6週間で最も低い水準となった。この間、市場では米国債の売り圧力が強まっていた。

6月の米消費者物価指数(CPI)が発表された後も関税の影響への不安が和らぐことはなく、米債への売り圧力が増した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月にも利下げに動くとの見方は後退した。

米30年債利回りは6月初め以来で初めて5%を突破した。約5週間以内に5.3%前後まで上昇することを見込む大口のオプション取引も見られた。米30年債利回りは2007年以降、この水準に達していない。

日本の債券市場でも今週、超長期金利が急騰。参院選で与党の苦戦が報じられ、拡張的な財政政策への懸念が広がった。

 

オプション市場では、別の弱気シグナルも出ている。米30年国債のコール(買う権利)とプット(売る権利)の需要の強さを反映するスキューは、過去1週間で大きくプットのプレミアムに傾いており、利回り上昇や年限の長い債券の大幅下落に備える動きがうかがえる。

 

原題:Bond Traders Boost Bearish Bets as US 30-Year Yields Eclipse 5%(抜粋)

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