(ブルームバーグ):トランプ米大統領は15日、ベッセント財務長官が次期連邦準備制度理事会(FRB)議長候補の1人だと語った。ただ、ベッセント氏が財務長官として成果を上げているため、最有力候補ではないと示唆した。
トランプ氏はアンドルーズ空軍基地で記者団に対しベッセント氏について、「彼は選択肢の一つだ。非常に良い」と、同氏の仕事ぶりを高く評価していると発言。ベッセント氏が次期FRB議長候補の1人かどうか、記者団の質問に答えた。
その上で、ベッセント氏が最有力候補なのか質問されたのに対し、「彼の仕事ぶりを私は気に入っているため、そうではない」と話した。
ベッセント氏は15日朝、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、パウエルFRB議長の後任選びの「正式なプロセス」が既に始まったと明らかにしていた。パウエル氏は2026年5月に2期目の現行任期(4年)満了を迎える。
トランプ氏と側近らは、首都ワシントンのFRB本部改修に絡んでパウエル議長を攻撃。改修費用が当初の計画から膨らんでいる点を批判するとともに、政府機関の庁舎として豪華過ぎると主張している。トランプ氏はこの改修費用について「かなり恥ずべきものだ」と述べた。
この件がパウエル議長解任に値するかとの質問にトランプ氏は、「ある意味そうだと思う」と答えたものの、今回の事態を理由にFRB議長の解任を進める意向があるとは明言しなかった。
トランプ氏はパウエル議長について、「彼は完全に堅物だと思うが、ただ一つ意外だったのは、彼が宮殿のような場所に住みたがるタイプには見えなかったということだ」と語った。
パウエル議長は本部改修に関するメディア報道を不正確だとして否定している。ただ、今週初めにはFRB監察官に対し、改修工事の内容について正式な調査を要請した。
トランプ氏はかねて、米金融当局が米政権の関税措置によるインフレへの影響などを考慮して政策金利を据え置いていることにたびたび不満を表明し、金利を引き下げる人物を次期FRB議長に選ぶ考えを示している。
ベッセント氏は15日のインタビューで、自身が次期FRB議長就任の打診をトランプ氏から受けたことはなかったか尋ねられたのに対し、「自分は決定プロセスに関与している」とし、「これはトランプ大統領の判断であり、大統領のペースで動くだろう」と返答していた。
原題:Bessent Is Not Top Fed Candidate But ‘Very Good,’ Trump Says (1)、Trump Says Bessent Is ‘an Option’ for Federal Reserve Chair (1)(抜粋)
(ベッセント氏の発言を追加して更新します)
--取材協力:Hadriana Lowenkron.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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