(ブルームバーグ):米リッチモンド連銀のバーキン総裁は15日、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長は米経済にとって最善の金融政策を目指すと信じていると述べる一方、政策金利を決定する米連邦公開市場委員会(FOMC)は必ずしも議長の方針に従う必要はないと指摘した。
バーキン氏はボルティモアで開催されたイベントで、「その人物が米国にとって最も望ましい政策を決めようと努めると信じたいし、そう願っている」と述べた。

トランプ大統領は来年5月に任期を迎えるパウエル議長の後任について、利下げに前向きな人物を選ぶと述べており、FRBの独立性に対する懸念が高まっている。
またバーキン総裁は聴衆からの質問に対し、FRBの歴史上、FOMCが議長の方針に従わなかった事例がまれにあったと述べた。
直近のインフレ統計を巡っては、一部で価格上昇圧力が見られるとし、今後さらに強まる可能性があるとの見方を示した。同時に、企業が関税コストをどの程度消費者に転嫁できるかは不透明だと述べた。
総裁は講演後、ブルームバーグ・ニュースに対し「供給側はこれまでのインフレ体験に後押しされる格好で、コスト上昇を価格に反映させる意識を強めている」と指摘。「一方で、消費者はインフレ疲れですでに低価格品に切り替えるなどして対応している」と述べた。
FRB高官の間では、関税が米国の消費者物価にどの程度波及するかを巡って見解が分かれており、それが金利見通しにも影響を与えている。15日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)統計によると、食品とエネルギーを除くコア指数が5カ月連続で市場予想を下回る一方、企業が関税に伴うコストの一部を消費者に転嫁し始めている状況も示された。
原題:Barkin Says Fed’s Rate Panel Hasn’t Always Followed Chair’s Lead(抜粋)
(最終段落を追加して更新します。更新前の記事では第2段落の地名表記をボルティモアに訂正済みです)
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