暗号資産(仮想通貨)ベースの賭けサイト「ポリマーケット」に対する米司法省と商品先物取引委員会(CFTC)の調査が、打ち切られる。事情に詳しい関係者が明らかにした。調査はバイデン前政権の末期に本格的に開始された。トランプ現政権は暗号資産業界の後押しに動いている。ポリマーケットは今月、司法省とCFTCから調査終了の通知を正式に受けたという。

ポリマーケットのコプランCEO

ポリマーケットとCFTC、司法省はいずれもコメントを控えた。調査打ち切りは、前政権による政策を転換する動きの一環とされる。ワシントンでは「クリプト・ウィーク」と称し、業界を支援するルール整備が進められており、ビットコイン価格も記録を更新している。

ポリマーケットは昨年の選挙で人気が急上昇し、仮想通貨を使って選挙結果に賭けたいユーザーを多数取り込んだ。規制当局との取り決めに反し米国在住のユーザーを受け入れた疑いが持たれ、調査が入っていた。

緊張が一気に高まったのが昨年11月。連邦捜査局(FBI)は選挙の1週間後、ポリマーケットのシェイン・コプラン最高経営責任者(CEO)が住むニューヨーク市ソーホー地区のペントハウスに家宅捜索に入った。コプラン氏はソーシャルメディアへの投稿で、バイデン氏の政敵と近い企業を標的とした「最後のあがきだ」と非難した。

この象徴的な事件をきっかけに、暗号資産コミュニティーではトランプ氏を全面的な支持者と受け止めるムードが強まった。実際、今週には初のデジタル資産規制法案が下院本会議での採決を経て、大統領の署名手続きに入る見通しだ。

CFTCと司法省は、ポリマーケットがVPN(仮想施設網)などを経由した米国在住ユーザーを継続的に受け入れていたかどうかを調査していた。ポリマーケットは2022年1月、CFTCとの和解で米国在住ユーザーの遮断を約束していた。調査終了により、同社は先物取引所としてCFTCに登録する可能性や、CFTCのライセンスを持つ他社の買収を通じて、米国市場に正式に復帰する道が開かれる。

ポリマーケットはピーター・ティール氏のファンドが率いる調達ラウンドで、資金力を高めてきた。またイーロン・マスク氏のソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」および人工知能(AI)開発会社「xAI」と提携し、イベント予想サービスをソーシャルメディア上で提供するとも発表した。

原題:Polymarket Probe Ended by DOJ in Win for Crypto Bets Under Trump(抜粋)

--取材協力:Ava Benny-Morrison.

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