レアアース磁石不足をすぐに緩和するには、中国との外交的な合意しかないとの考えをインドの自動車部品大手ソナ・BLW・プレシジョン・フォージングスのビベク・ビクラム・シン最高経営責任者(CEO)が示した。中国の輸出規制で電気自動車(EV)生産に支障が出ている。

シンCEOはブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「短期的に見ると、中国との関係改善で磁石供給が再開されない限り、対策の選択肢は限定的だ」と語った。

中国の輸出規制は、自動車から携帯電話に至るさまざまな製品の製造に不可欠なレアアース磁石のサプライチェーンで、中国の圧倒的な地位を改めて浮き彫りにしている。

世界的に企業が調達戦略の見直しを迫られる一方、各国政府もレアアース磁石の国内生産体制の構築を急いでいる。

インドの自動車メーカーは、中国からのレアアース磁石輸入で他国以上に厳しい状況に直面していると、ブルームバーグ・ニュースは6月に報じた。

中国が4月前半に輸出規制を開始して以来、インドの輸入企業は中国からレアアース磁石を全く調達できていないと、インド自動車部品工業会(ACMA)のビニー・メヘタ事務局長は明らかにしている。

昨年インド国内で22万基のトラクションモーターを生産したソナは、EV駆動を担うこの重要部品の大手メーカー。同社は小型モーター向けにレアアースを使わない磁石の開発に着手している。

シンCEOは「昼夜を問わず取り組んでいる」と述べながらも、開発には少なくとも6-9カ月を要するとの見通しを明らかにした。

原題:China Diplomacy Key to Easing Rare Earth Crisis, Sona CEO Says(抜粋)

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