(ブルームバーグ):ロシアによる原油・石油製品の輸出が伸び悩み、同国の生産能力維持に疑念が生じていると、国際エネルギー機関(IEA)が11日公表した月報で指摘した。
IEAは「6月の原油と石油製品の輸出量はいずれも極めて低水準にとどまった」とし、この時期としては5年ぶりの低水準だったと分析。2024年と25年の大半を通じてフローが悪化傾向にあり、「ロシアが上流部門の生産能力を維持できるかどうか疑問が生じている」との見方を示した。
IEAによると、先月のロシア産原油の積み込み量は日量468万バレルで安定していた。一方、石油製品の輸出は11万バレル減の255万バレルだった。
世界3大産油国の一つであるロシアは、ウクライナ侵攻後に生産・輸出データを非公開としたため、上流部門の動向を外部から評価することが困難になっている。
市場関係者はIEAの報告書に加え、船舶追跡による輸出データや製油所の稼働率推計、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスにおけるロシアの割当枠の順守状況などを基に、同国の石油産業の動向を把握しようとしている。
IEAはロシアの持続可能な上流生産能力の推定値を変えておらず、日量980万バレルとみている。この水準は90日以内に実現可能で、長期間維持できることを意味する。
一方、ロシアの6月の原油生産量はコンデンセートを除き日量919万バレルで、同月のOPECプラス目標を日量14万バレル上回ったと、IEAは分析している。
原題:IEA Doubts Russia Can Sustain Oil Capacity as Exports Stay Low(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.