(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)のビットコインが、アジア時間14日昼の取引で12万ドルを突破し、過去最高値を更新した。
トランプ米大統領の経済政策などを巡る懸念が、政権の暗号資産推進路線に対する楽観論を抑制する一因となってきた。しかし、株式など他のリスク資産が過去最高値近辺まで持ち直す中で、ビットコインも騰勢が再び強まった。
ビットコインはその後も高値を維持し、ロンドン時間の14日正午時点で、12万2000ドル前後で取引されている。

米議会での暗号資産関連の重要な法案成立に向けた進展が、相場の上昇に新たな勢いを与えている。今週、下院ではデジタル資産市場透明性法案(CLARITY法案)、反中央銀行デジタル通貨(CBDC)監視国家法案、ステーブルコインの連邦規制を制定するGENIUS法案の審議があり、場合によっては採決も行われる見通しだ。共和党は、暗号資産に好意的なトランプ氏の政策を推進しようとしている。
昨年2倍余り値上がりした後、昨年12月以降の上昇率は約30%に達する。昨年11月のトランプ氏の大統領選勝利を受け急伸した後は、数カ月ごとに10万ドル前後で浮動するパターンが続いていた。
XBTOトレーディングのシニアトレーダー、ジョージ・マンドレス氏は「ビットコインを単なる投機資産ではなく、マクロヘッジ手段、構造的に希少な価値の貯蔵手段として意識する成熟した見方が今回の動きからうかがえる」と指摘した。
BTCマーケッツの暗号資産アナリスト、レイチェル・ルーカス氏は「本当の試練は12万5000ドルだ」と語る。同氏は、短期的な利益確定の動きは予想されるものの、「上昇トレンドには勢いがある」とし、要因として上場投資信託(ETF)からの強い需要を挙げた。
原題:Bitcoin Soars Past $120,000 as US Congress Starts ‘Crypto Week’(抜粋)
(最新の価格などを追加し更新します)
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