キャッシュレス化に伴うポイントサービスの普及
2024年の個人消費に占めるキャッシュレス決済比率は42.8%であった。
政府は、2018年に策定した「キャッシュレス・ビジョン」において、その比率を2025年6月までに4割程度にする目標を掲げていたが、この目標は前倒しで達成されたことになる。
2018年のキャッシュレス比率は24.1%であり、6年間で1.5倍以上に増加している。
キャッシュレス決済の普及とともに、重要性が増しているのが「ポイント」である。
ポイント還元はキャッシュレス決済のメリットであり、キャッシュレス決済事業者は利用者を自社サービスに引き付けるために積極的に導入している。
ポイントの貯め方も多様化している。
キャッシュレス決済の利用やポイントカードの提示だけでなく、広告の閲覧やアンケートへの回答、移動情報や歩数などのヘルスケア情報の連携など、様々な方法が広がっている。
このようにポイントを貯めて活用することは「ポイ活」と呼ばれ、キャッシュレス化の進展とともに、幅広い年代に普及しつつある。
当研究所は第一生命カードサービスと共同で、50~79歳の男女2,400人を対象とした「高齢者の生活と意識に関する調査」を2024年に実施した。
本稿は、同調査をもとに、ポイ活のシニア層への広がりと、どのようなシニアがポイ活をしているのかを考察する。
なお、今後数年でシニア層に加わる人も視野に入れ、本稿では調査対象である50歳以上をシニアと呼ぶ。