米石油大手エクソンモービルは、原油と天然ガス価格の下落により、4-6月(第2四半期)の利益が約15億ドル(約2200億円)減少する見通しを明らかにした。資源価格の変動が業績を圧迫した形だ。

7日の発表によると、1-3月(第1四半期)と比べて原油価格下落による利益への影響は約10億ドル、ガス価格の影響は約5億ドルに上るという。

欧州の競合企業、英シェルは7日、石油・ガスのトレーディング部門について「前四半期と比較して第2四半期は大幅に低下する見込み」と発表。株価は3.3%下落した。

大手石油会社2社のこうした見通しは、業界全体の低調な四半期を示唆している。2022年の記録的な利益を背景に増配や自社株買いを拡大したが、現在はフリーキャッシュフローの確保に苦戦している。

トランプ米大統領による貿易戦争や、石油輸出国機構(OPEC)と同盟国による予想を上回る供給増が原油価格に重しとなっており、米国とイスラエルによるイランへの攻撃も一時的な価格上昇にとどまった。

エクソンは、精製マージンが改善し利益が約3億ドル押し上げられる見通しだとしつつ、今回のガイダンスは市場価格のみに基づくもので生産やコストの変化などの業務要因は含まれていないと説明した。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ビラジ・ボルカタリア氏はリポートで、エクソンの見通しは4-6月期のアナリスト予想と「一致している」と指摘。エクソンは「欧州の同業シェルに比べてトレーディング部門が小さく、同様の影響を受けなかった」と分析した。

原題:Exxon Sees $1.5 Billion Earnings Hit From Lower Oil, Gas Prices(抜粋)

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