次期連邦準備制度理事会(FRB)議長の有力候補に目されるブラックロック幹部のリック・リーダー氏は、過去にトランプ米大統領の政敵や民主党議員らに献金していた。忠誠心を重視するトランプ氏にとっては問題となりかねない。

リーダー氏の献金歴は長く、共和・民主の両党にまたがる。2024年大統領選で共和党の候補者指名を争ったヘイリー元国連大使に、20年の選挙では民主党のブティジェッジ前運輸長官(当時はサウスベンド市長)とブッカー上院議員に、16年はジェブ・ブッシュ氏にそれぞれ献金していたことが、米連邦選挙委員会(FEC)のデータに記録されている。16年と20年、24年の大統領選に出馬したトランプ氏には献金していない。

リーダー氏はウォール街での確かな経歴とFRB改革に前向きな姿勢が評価されて、有力候補としての地位を固めているが、これらの献金歴が足かせとなる可能性がある。

記録によれば、同氏は民主党のシューマー上院院内総務と下院民主党トップのジェフリーズ議員ら、ニューヨーク州の民主党指導者のほか、テスター上院議員やブラウン上院議員などの中道派民主党議員、さらには引退した共和党のロムニー上院議員やライアン元下院議長にも献金していた。

リーダー氏とブラックロックの担当者はコメントを控えたが、献金の事実を否定しなかった。

次期FRB議長探しをトランプ大統領から任されているベッセント財務長官は、今週中にも大統領が人選を発表する可能性があるとしている。トランプ氏自身も「かなり近いうちに」発表すると述べた。現時点ではリーダー氏のほかにハセット米国家経済会議(NEC)委員長とウォラーFRB理事、ウォーシュ元FRB理事の名が挙がっている。

候補者の中でリーダー氏は最も多額の献金歴があり、他候補に比べ突出している。ウォーシュ氏は2003年以降に11件、ハセット氏は2件献金した事実が記録されている。ウォラー氏は献金の記録がない。トランプ氏はこれまでにも忠誠心を重視した人事を行っており、ヘイリー氏やフロリダ州のデサンティス知事を支持した候補を排除した例もある。

トランプ氏は先週、ダボスでの演説で「誰もが私が気に入るようなことを言って、職を得る。6年間の任期が始まってから、ちょっと金利を上げてみようなどと言い出す」と発言。「驚くことに立場が変わると人は変わる。残念だが、それはある種の不忠誠だ。しかし彼らは自分が正しいと思うことをやるしかない」とFRB議長候補について語った。

ホワイトハウスのデサイ報道官は「FRB議長人事については適切な時期に大統領が発表する」と述べ、それまでは報道の価値はないとした。

リーダー氏の献金歴は2005年にまでさかのぼる。金額はウォール街の大口献金者と比べれば控えめで、最大は23年12月にヘイリー氏の支援団体に対する1万5825ドル(約245万円)だった。

パウエル議長らFRB高官

FRB高官による政治献金は合法ではあるが、極めて異例で、過去にはブレイナード元理事がヒラリー・クリントン氏に献金して議論を呼んだ。現職のパウエル議長は2003年にジョージW.ブッシュ氏に、2008年に共和党の故マケイン上院議員に、12年にロムニー上院議員に献金している。

FRB職員は共和党に不満、寄付金は民主党集中-トランプ氏にはゼロ

バー理事は2012年にオバマ大統領の再選運動に、16年にヒラリー・クリントン氏に献金。クック理事も同様の寄付歴がある。ボウマン副議長は08年に再選を目指したブッシュ大統領に、同年の共和党予備選ではジュリアーニ元ニューヨーク市長に献金した。

FRB内でトランプ大統領への献金歴があるのは、マイラン理事のみ。金額は1000ドルだった。

原題:Rieder’s Past Political Giving Risks Complicating Fed Chair Shot(抜粋)

--取材協力:Christopher Condon、Silla Brush.

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