(ブルームバーグ):賭けサイト大手カルシが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策や経済指標に関する予測でほぼプロ並みの正確な結果を出していることが、新たな研究で明らかになった。
カルシはアメリカンフットボールの王者決定戦「スーパーボウル」から米大統領選まであらゆる事象の予測を提供し、急成長を遂げている。
研究論文では、金利決定の予測の精度に関して、カルシはニューヨーク連銀が調査する専門家と「概ね一致している」と指摘。特筆すべき事例として、中央銀行が市場の不意を突く大幅利下げを実施した局面では、予測市場が専門家を上回る精度を示したと記した。暫定的な研究結果をまとめた査読前の同論文は、FRB関係者1人を含む経済学者3人が共同で執筆した。
過去のFRBの政策決定や経済指標について分析した今回の研究結果は、予測市場が群集の知恵を効果的に活用し、リスクテークや政策判断に資する精度の高い予測を生み出しているとの主張を後押しそうだ。一方で、急成長する賭けサイトを巡っては、スポーツ賭博の急増に加え、市場操作やインサイダー取引への構造的な脆弱(ぜいじゃく)性について監視の目が強まっている。
だが、少なくともウォール街にとっては、カルシが従来の予測手法よりも優位な可能性があると、著者らは指摘する。同サイトでは契約が活発に取引され、より幅広い変数についてリアルタイムの更新が得られるほか、起こり得る結果の全体像をより的確に反映できる強みがあるかもしれないという。

2022年から6月までのデータにおいて、カルシで最も起こりやすいと判断された結果である最頻値の予測は、FRBの金融政策決定前夜の時点で的中していたと論文は指摘。FRBは一般に市場の期待を巧みに誘導するが、2024年9月に政策当局が0.5ポイントというサプライズの大幅利下げを実施した局面でも、予測市場は良好なパフォーマンスを示したとしている。
インフレ率や失業率のデータ予測に関しても、カルシはブルームバーグが調査したエコノミストと同程度の精度を示したと、論文は指摘する。また消費者物価指数(CPI)の総合指数については、専門家の予測を統計的に有意な形で上回ったという。
これについて共同執筆者の一人、ジョンズ・ホプキンズ大学のジョナサン・ライト教授(経済学)は「多くの人々から情報を得て、それぞれの見解を集約することで生まれる群衆の知恵だ」と述べている。
もっとも、予測市場に欠点がないというわけではない。一部の研究では、参加者が発生確率の低い結果に対して過大な価格を支払う傾向があることが示されている。ある時点では、2025年にイエス・キリストが地上に再臨する確率をほぼ4%と見積もっていた。
原題:Kalshi Fed Forecasts Are as Good as Wall Street’s, Study Says(抜粋)
--取材協力:Alexander McIntyre.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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