トランプ米大統領が4月に「解放の日」関税を発表した直後から取引が急増した。

電子為替取引の一日の取引高は、シティグループの外国為替トレーディング世界責任者フラビオ・フィゲイレド氏がかつて見たことのない水準を記録した。

このような予期せぬ市場の混乱に加え、人材やテクノロジーへの投資が、シティが扱うヘッジファンド顧客の外為取引量の1兆(約144兆円)ドル増加につながった。今年1-4月に前年同期比で約23%増加し過去最高の6兆1000億ドルに達した。

フィゲイレド氏はインタビューで、同行のヘッジファンド向けビジネスの成長が市場平均を上回っていると述べた。シティが委託した分析でそれが示されたという。「ボラティリティーが高まった際に、積極的に取引するヘッジファンドを含む顧客に対し、当行の強みを最大限に提供した」と語った。

シティは、世界有数の大企業や各国政府との広範なネットワークを背景に、長年にわたり外為取引の雄として知られてきた。現在はこうした従来の顧客層を超えて、ヘッジファンドによる取引の自社システム経由の比率を高めることで、さらなる拡大を目指している。

フィゲイレド氏によると、シティは2023年に、テクノロジー強化と顧客ニーズへの対応力向上を通じて外為部門の収入を4年間で最大25%増やすという社内目標を掲げた。

フィゲイレド氏の下で、外為オプションチームの人材採用や電子取引システムへの投資が徐々に奏功し、顧客からの評価向上に寄与している。

シティの外為プロダクツ部門グローバル責任者、アイエサ・ラティフ氏は「目標は、システムのレイテンシー(遅延)を削減し、より迅速な価格提示を実現することだ」と話した。

原題:Citi Rides Hedge Fund Volatility to Trillion-Dollar Growth in FX(抜粋)

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