暗号資産(仮想通貨)交換業者クラーケンが、送金・決済向け金融サービスアプリの開発を進めている。株式上場を見据え、収益源の多様化を進める。

26日の発表資料によると、新アプリ「Krak」では仮想通貨と法定通貨の両方について、世界各地の企業・個人が無料もしくはごく低コストで国境を越えて送受金できるようになる。

アプリ開始時点で300種類以上の資産に対応する予定だ。ただ当面は部分的なクローズドシステムで運用され、ユーザーの送金先はKrak利用者に限定されるほか、資金引き出し先も自分の銀行口座に限られる。

数週間以内には、Krak口座内の資金を利用できる現物および仮想のデビットカードも提供予定だと、アルジュン・セティ共同最高経営責任者(CEO)はインタビューで述べた。さらに同社は、ローンやクレジットカードを含む与信サービスも準備中としている。

Krak投入でクラーケンは金融サービス分野に本格進出することになる。レボリュートのほか、ブロックの「キャッシュアップ」、ペイパル・ホールディングスの「ベンモ」など、ネオバンクや送金アプリとの競争も激しさを増す。

来年初めに新規株式公開(IPO)を計画しているクラーケンは今年4月、米上場株や上場投資信託(ETF)について手数料無料の取引を開始した。3月には、小口先物取引プラットフォーム、ニンジャトレーダーを15億ドル(現在のレートで2200億円)で買収すると発表している。

暗号資産企業は銀行類似サービスの開発に一段と注力しており、デジタル資産とフィンテックの境界があいまいになりつつある。

原題:Kraken Plans to Launch Competitor to Venmo, Block’s Cash App(抜粋)

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