追い打ちをかけるトランプ関税
高金利は問題の一部に過ぎません。
政府に対する信頼もまた、債券市場の不安定要因となっています。
世界的に財政支出に対する懸念が高まっており、「これほど巨額の財政赤字があるのなら、もっと高い利回りでリスクを補償されるべきだ」という投資家の要求が長期金利を押し上げています。
政府や経済が常に支出を増やし、政策を変更する中で、投資家が100年以上先に何が起こるかを知ることは非常に困難です。
さらに、米国の貿易政策も債券市場に影を落としています。
トランプ政権の関税政策には多くの不確実性があり、これが懸念とボラティリティを増大させ、利回りを上昇させています。
関税は、一方でインフレを煽り、債券にとっては悪材料となって利回りを上昇させる可能性があります。
他方で、経済成長を鈍化させ、中央銀行が金利を引き下げ、結果として債券の利回りも同時に下がる可能性も秘めています。
こうした相反する要素が混在し、市場に混乱をもたらしているのです。
