英国は、核兵器を搭載可能な米ロッキード・マーチン製F35A戦闘機を少なくとも12機購入する方針を明らかにした。トランプ米大統領の歓心を買おうとするスターマー英首相の最新の取り組みだ。

英空軍はこれに伴い、冷戦終結で空中発射型の独自核兵器を退役させて以来初めて核任務を担うことになる。英国の戦略的抑止力は現在、核弾頭搭載の潜水艦少なくとも1隻を周辺海域に常時展開する態勢となっている。

今回の発表は、オランダ・ハーグで開催中の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて行われた。首脳らは国防費の国内総生産(GDP)比を5%に引き上げる新たな野心的目標に署名する見通し。この目標は欧州諸国の安全保障費が少ないとしてたびたび批判してきたトランプ氏への配慮とみられる。

スターマー氏は24日夜、ハーグで発表した声明で「不確実性が極めて高い時代において、平和はもはや当然のものではない」と指摘。「英国のNATOへのコミットメントは揺るぎなく、NATOは英国の安全確保に多大な貢献をしている。だがわれわれは皆、将来の世代にわたり欧州・大西洋地域を守っていくため行動を強化しなければならない」と呼びかけた。

声明では、F35A戦闘機の購入費用や初回納入時期についての言及はなかった。

この契約はトランプ氏への好意的なジェスチャーと見なされ、スターマー政権が伝統的に強固な英米関係と、同大統領の英国への個人的な親近感を活用しようとする外交方針の一環と受け止められている。

ただ、こうした方針の成果はまちまちだ。ロシアによるウクライナ侵攻を巡る対ロ制裁強化の要請を英国および欧州から受けたトランプ氏は、これを拒否。さらに先週末にはイランの核関連施設への空爆を行い、スターマー氏による自制の呼びかけも無視した。

トランプ氏はNATOの集団防衛の原則を定めた第5条への米国の関与にも懐疑的な姿勢を示しており、欧州諸国の自衛能力に改めて注目が集まっている。

原題:UK Will Buy Nuclear-Capable F-35s in Next Bid to Woo Trump(抜粋)

--取材協力:Ellen Milligan.

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