イランは制度化を目指すホルムズ海峡の通航料について、支払い方法として暗号資産(仮想通貨)を盛り込む意向を示唆している。制裁下でも差し押さえが容易ではないためだ。

ただ、業界関係者によれば、この構想は正規のルートではほぼ実行不可能とみられる。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は今週、イランの石油輸出業者団体の報道官の話として、同国がビットコインでの支払いを求める方針だと報じた。ブルームバーグもこれに先立ち、海運業界関係者の話として、人民元やステーブルコインでの通航料支払いを求める動きがあると伝えている。

ブロックチェーン分析会社TRMラボは、イランの法律では国内で認可された事業体を通じた仮想通貨の利用を認めていると指摘した。国家が仮想通貨の流れを監視・統制できるようにする枠組みの一環であり、自国が管理できない外部ネットワークへの依存を避ける狙いがある。

もっとも、実務上の障壁は極めて大きい。

仮想通貨のマーケットメイカー大手ウィンターミュートの店頭取引責任者、ジェイク・オストロフスキス氏は「海運会社は高リスク業種であることから、すでに世界的に厳格な監督下に置かれている」と指摘。「制裁対象に関わる可能性があれば、どの取引デスクも対応しないだろう」と述べた。

ブロックチェーン分析会社チェイナリシスによると、イランの仮想通貨エコシステムは昨年、78億ドル(約1兆2400億円)規模に達した。またイスラム革命防衛隊(IRGC)は昨年、仮想通貨のネットワークを通じて30億ドル超を動かした。これは2025年第4四半期にイラン関連主体が受け取った暗号資産価値の半分超を占めた。

原題:Iran’s Sanctions-Busting Crypto Ambitions Grow on Toll Payments(抜粋)

--取材協力:Archie Hunter、Alex Longley、Anna Irrera.

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