「身を粉にして働くか、金の亡者になるか」
しかし、美容治療の競争が激化し、価格が下がる一方で、負傷や死亡の報告が増加しているのだ。
特に問題なっているのは、訓練を受けていない、あるいは資格不十分な「ゴーストドクター」による被害者が10万人以上も報告されていることだ。
美容外科医の数はこの10年でほぼ2倍になったにもかかわらず、韓国は先進国の中で人口当たりの医師数が最も少ない国の一つであり、この歪みは基本的な医療分野で顕著に現れている。
小児科や内科といった基礎医療分野では、深刻な医師不足に直面しており、医師たちは「身を粉にして働くか、金の亡者になるか」という極端な選択を迫られているのが現状だ。
この状況に拍車をかけているのが、1年近く続く大規模な医師のストライキである。
ストライキは政府が医学部の年間定員枠の増加を約束したことに端を発するが、多くの人々は、定員枠を増やしても医師たちが収益性の高い美容分野に流れることを止められず、必要不可欠な医療サービスの復活にはつながらないと危惧している。
実際、2024年7月までに開業した新しい外来クリニックのうち、約80%が皮膚科クリニックだったというデータが、この懸念を裏付けている。
