(ブルームバーグ):24日の日本市場では株式が大幅反発。トランプ米大統領がイスラエルとイランの暫定的な停戦を発表し、投資家のリスクセンチメントが改善した。海外原油先物相場が急落したことで、インフレへの懸念も後退した。
有事のドル買いの巻き戻しから円は1ドル=145円台前半に上昇。債券はリスク選好の売りや20年債入札の弱めの結果が重しとなり、小幅に下落。
トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「完全かつ全面的停戦」の合意成立を発表。その後、イスラエルとイランとの間の「停戦が発効した」と投稿し、イスラエルのネタニヤフ首相も停戦への同意を表明した。
トランプ氏の停戦発表を受け、原油先物相場はアジア時間に下げ幅を拡大し、北海ブレント原油はイスラエルがイランを攻撃した前日となる12日の水準を下回った。安全資産への需要後退から金相場も下落。一方、米株価指数先物やアジア株は上昇し、外国為替市場ではドルが主要通貨に対して売られた。
株式
東京株式相場は大幅反発し、日経平均株価の上げ幅は一時600円を超えた。
電機や機械といった輸出関連、非鉄金属など素材株が高く、米金融株高も追い風に銀行や証券、保険も上げた。半面、原油安から鉱業や石油・石炭製品は下落し、海運株も安い。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは「中東情勢の緊張は短期で収束に向かいそうだ」とし、日本株は「昨日の米国株と同様に見直し買いが入りやすい」と話していた。
一方で、トランプ政権による関税の脅威や米金融政策の先行き不透明感など、株価の押し下げ要因は依然として残る。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は、中東リスクが表面化した13日から日本株の下げは限定的で、足元の上昇は少し違和感があると指摘。売り圧力はマグマのように蓄積されており、リスク回避要因が発生した場合に一気に売りが出る可能性があるとの見方を示した。
為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=145円台前半に上昇。前日の海外市場で一時1カ月超ぶりとなる148円台に下落した後、中東情勢の緊張緩和への期待や米金融当局者の利下げ発言を背景にドル売り・円買いの流れに転じている。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、イスラエルとイランの停戦が現実味を帯び、ドル買いポジションの縮小が続いていると指摘した。
米国ではこの日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融委員会の公聴会で半期に一度の金融政策報告書について証言する。みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは「従来のように様子見姿勢を続ければ、小幅のドル買いが入る一方で、早期利下げに前向きな姿勢を示せばもう一段のドル売り・円買いが進む」と予想した。
債券
債券相場は小幅安。トランプ氏による停戦発表を受けてリスク選好的な流れとなった。午後には20年債入札の弱めの結果を受けて、下げ幅を拡大する場面もあった。
明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは「20年国債入札は弱い結果だ」とし、今回は減額前であり、来週に30年債入札、2週間後には再び20年債入札が実施されるため、「投資家は積極的に買う必要はないと判断したのではないか」と指摘した。
一方で、5月入札後のように相場が大荒れになることはないとし、「財務省が超長期債をケアしているという安心感はあり、利回りが上昇すれば買いたい投資家はいるだろう」と話した。
入札結果によると、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.11倍と、過去1年平均(3.31倍)を下回った。最低落札価格は100円20銭で、市場予想は100円50銭だった。一方、大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は28銭と、前回の1円14銭から大きく縮小した。
新発国債利回り(午後3時時点)
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:横山桃花.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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