米国の商業用不動産を巡る信用不安が引き続き顕在化している。借り入れコスト急上昇と在宅勤務の定着に伴い、貸し手は損失リスクにさらされている。

調査会社グリーン・ストリートによれば、延滞率は、ペースが鈍化しているものの上昇が続いている。MSCIリアル・キャピタル・アナリティクスのデータによると、経済的に問題を抱える不動産は3月末時点で前年比23%増の1160億ドル(約17兆円)超に達し、10年強ぶりの高水準となっている。

ストラテジック・バリュー・パートナーズ創業者のビクター・コスラ氏をはじめとする投資家らは、債務の満期到来で米オフィス市場を中心に問題が「津波」のように発生すると警鐘を鳴らしている。そうした状況が広がる兆しが出ている。

米連邦預金保険公社(FDIC)は先月の報告書で、商業用不動産ポートフォリオにおける延滞・未収利息不計上債権の割合が今年に入り、2014年以来の高水準に達したと指摘。集合住宅の問題が大きくなっているとした。

延滞・未収利息不計上債権とは、返済が大幅に遅れており、貸し手である銀行が利息の受け取りを見込めないため、利息を計上しない貸付金を指す。

一方で、政策の不透明感も実体市場の活動を抑制していると、米連邦準備制度理事会(FRB)が5月の地区連銀経済報告(ベージュブック)で指摘した。各地区で企業が意思決定を先送りにしているためだという。例えば、一部の地区連銀は関税を巡る懸念が倉庫需要に影を落としていると指摘した。

原題:Commercial Real Estate Distress Is Spreading: Credit Weekly(抜粋)

--取材協力:John Gittelsohn、Patrick Clark.

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