国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は23日、米国によるイラン攻撃がエネルギー分野にとどまらず、より広範な影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らした。

ゲオルギエワ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国がイランの核施設攻撃に踏み切ったことについて、「極めて不確実性の高い環境の中で、新たな不確実性の要因と見なしている」と述べた。

これまでで最も大きなショックはエネルギー価格に表れており、IMFはその動向を注視しているが、「二次的・三次的な影響もあり得る。例えば、混乱がさらに拡大して複数の経済大国の成長見通しに打撃を与えるような事態になれば、世界全体の成長見通し下方修正の引き金となる」と同氏は語った。

ゲオルギエワ専務理事が語る

IMFはすでに4月、今年の世界成長見通しを引き下げており、その際、米国が進める世界貿易の「再起動」が成長を鈍化させると警告していた。

ゲオルギエワ氏によれば、1-3月(第1四半期)と4-6月(第2四半期)はその傾向が続き、世界はリセッション(景気後退)を回避できる見通しだが、不確実性が高まり、それが成長の足かせになり得るという。

同氏はIMFが特に注目しているのは、今回の紛争が原油・天然ガスのリスクプレミアムにどう影響するかだと説明。原油市場ではオプション取引が急増しており、先物カーブも需給逼迫(ひっぱく)への懸念を反映して変化している。

ゲオルギエワ専務理事

ゲオルギエワ氏は「事態がどう展開するか見守りたい」としつつ、エネルギーの供給ルートが遮断されたりしないか、他国に影響が波及しないかを注視していると明かした上で、「そうならないよう祈っている」と述べた。

米経済そのものについては、インフレが鈍化傾向にあるとしながらも、現時点で米連邦準備制度が利下げに踏み切れる状況にはないとの見方を示した。

「年末に向け、金利をある程度引き下げるタイミングが来たと連邦準備制度が判断する可能性はある」との考えを示し、米労働市場の堅調さと賃金上昇が消費を下支えしていると話した。

一方で、ボラティリティーが高まるほど、企業にとっては状況が悪化するとし、「不確実性があると何が起きるか。投資家は投資を控え、消費者は消費を控え、結果として成長見通しを押し下げる」と語った。

原題:IMF’s Georgieva Warns of Broader Risks From US Strikes on Iran(抜粋)

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