米下院を通過した共和党の税制・歳出法案がそのまま成立すれば、米国の財政赤字は今後10年間で2兆8000億ドル(約407兆円)増えるとの推計を米議会予算局(CBO)が示した。CBOは同法が米経済と連邦予算に及ぼす広範な影響を加味したと説明している。

前回の推計では、政策が間接的に財政に及ぼす影響である動学的効果を除いて2兆4000億ドルとされていた。CBOは17日の発表で、法案によって金利が上昇し、財政赤字が10年間で4410億ドル増加すると指摘。一方、経済成長の加速などの影響による借り入れの削減効果は850億ドルにとどまるという。

共和党は同法によって経済が活性化すると主張しているが、CBOはその影響は極めて小さいとみている。

CBOによると、同法が成立した場合、2034年までの10年間の年平均国内総生産(GDP)成長率は基本シナリオ予想(約1.8%)を0.04ポイント上回る見込みだという。

 

ベッセント財務長官は持続的なGDP成長率3%の達成を目標に掲げ、先月には1年後に少なくとも3%成長に達しているとの見通しを示していた。ベッセント氏や共和党議員はCBOの予測が法案に含まれる経済成長促進策を十分に考慮していないとたびたび批判してきた。

独立系の分析でも、同法が財政赤字を拡大させるとの見方が示されている。

ペンシルベニア大学ウォートン校のペン・ウォートン・バジェット・モデルは今月、動的効果を加えた場合の赤字拡大幅を3兆2000億ドルと推計。独立税制調査機関タックス・ファウンデーションの試算は3兆1000億ドルだった。

ただ、上院共和党が16日に独自の税制法案を発表したことから、下院案は逆風に直面している。今回の新たなCBO推計により財政保守派の懸念がさらに高まり、法案の調整が一段と困難になる可能性がある。

原題:House Tax Bill Boosts Deficit $2.8 Trillion, CBO Analysis Shows(抜粋)

--取材協力:Erik Wasson、Phil Kuntz.

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