AI・半導体関連株への集中は変わらず、次の焦点は金利高止まりの影響
6月15日の米国株式市場は、米国とイランの戦闘終結で合意したことにより、楽観論が広がった。原油価格が下落したことで、幅広い銘柄が買われた。もっとも、上昇率はダウ平均が前日比+0.9%、ナスダック指数が同+3.1%、SOX指数が同+5.4%という状況で、AI・半導体関連株の強さが続いている。一部では、イラン情勢が改善するとAI・半導体関連株への一極集中が解消され、調整のきっかけになるという見方があったが、現時点ではその兆候は見られていない。
次の焦点となるマクロ要因は、長期金利の高止まりである。後述するように、米国では原油価格が下落してインフレ懸念が和らぐ中でも、実質金利の高止まりが続いている。財政リスクなど何らかの要因で長期金利が上昇すれば、株式市場の調整要因になる可能性がある。もっとも、米国市場におけるペイン・トレードは景気悪化・ディスインフレ懸念を起点としたものだろう。イラン情勢の悪化という不安材料があったのにもかかわらず株価は上昇し、米経済に対する楽観論が続いている。
IMFのゲオルギエワ専務理事はこの日、「中東での戦争開始から3ヵ月以上が経過したが、世界経済は持ちこたえているようだ。商品価格、インフレとその期待、金融環境はいずれも影響を受けているが、世界経済の減速を示すような兆候はまだ見られない」(ロイター)と指摘した。市場では、堅調な経済指標が続くということがコンセンサスとなっていくだろう。年後半は経済指標の動向を確認していく必要がある。なお、筆者は引き続き、労働市場は緩やかに弱くなっているとみており、イラン情勢悪化の影響が遅れて生じる可能性も含め、年後半には弱めの経済指標が続くと予想している。
実質金利が高止まりし、債券市場は動きにくい展開
6月15日の米国債券市場は、上下に動きにくい展開となった。長期金利は前日差▲0.6bp、2年金利は同▲1.5bpと、小動きだった。FOMCを控えていることもあるが、実体経済への楽観論が実質金利を高止まりさせている面がある。長期金利は5月19日につけた4.67%から低下し、足元では4.47%となっている(変化幅は▲19bp)。この間、インフレ予想(BEI)は▲17bpだったが、実質金利は▲2bpと小幅な低下にとどまった。インフレ懸念が和らいでも、米経済が堅調であるという見通しを背景に実質金利が高止まりしている格好である。当面、米金利は方向感を欠いた動きが続く可能性が高い。