米共和党のスーン上院院内総務は10日、トランプ大統領が掲げるチップや残業代の非課税化に加え、社会保障給付や自動車ローン金利への控除について、上院共和党として実現を目指す方針を示した。

スーン氏は記者団に対し、 「ご存じのとおり大統領はチップや残業代、社会保障給付、自動車ローン金利の非課税化を公約に掲げて選挙を戦った。これらは政権にとって優先政策であり、下院法案に盛り込まれた。私は上院でもそうなると考えている」と語った。

下院を通過した大型税制法案では、社会保障給付の直接減税は上院の予算規則に抵触するため回避され、代わりに65歳以上で年収が個人で7万5000ドル(約1090万円)、夫婦で15万ドル以下の納税者に対し、1人当たり4000ドルの控除が上乗せされた。チップと残業代、高齢者、自動車ローンに関する下院案の規定はいずれも2029年に失効する。

上院共和党は独立記念日(7月4日)までの成立を目指し、下院案の調整作業を進めている。スーン氏は10日、上院の草案策定は完了間近だと述べた。

税制法案を管轄する下院歳入委員会のスミス委員長はこの日、チップや残業代の非課税措置が上院で外されれば、再審議のため下院に戻された際に「葬られる」と警告した。

一方で、ティリス、グラム両議員を含む共和党上院議員はチップや残業代の非課税化に伴うコストや経済的合理性に疑問を示している。この資金を法人減税の恒久化に充てるべきだとの声もある。

しかし、この案について、スミス委員長は下院共和党に受け入れられないと、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで語った。

ジョンソン下院議長も上院に対し、チップや残業代の条項を削除したり、後退させたりしないよう求めており、「これはわれわれにとって守るべき重要な公約だ」とこの日、記者団に語った。

原題:Senate Plans to Deliver Trump-Backed Tip, Overtime Tax Breaks(抜粋)

--取材協力:Joe Mathieu、Kailey Leinz、Erik Wasson.

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