最高裁判所の判決を控える中、中東ドバイに出国し、国外逃亡との観測も出ていたタイのタクシン元首相が8日、帰国しました。

現地メディアによりますと、タクシン元首相は4日、自家用ジェット機でタイを出国していましたが、8日、滞在先のドバイからバンコクの空港に到着しました。

タクシン元首相はおととし、汚職などの罪で実刑判決を受け刑務所に収監されていましたが、その直後、病気の療養を理由に警察病院へと移され、そのまま釈放されていました。

この措置の妥当性について最高裁判所が9日に判決を言い渡す予定で、判決次第では再び収監される可能性もあります。

タクシン氏をめぐっては、最高裁の判決を前に出国したことから「国外逃亡したのではないか」との観測も広がっていましたが、タクシン氏は9日の判決に出廷するとしています。

タイではおととし以降、タクシン派政党が政権を握っていましたが、タクシン氏の次女のぺートンタン氏が先月、憲法裁判所の命令で首相を失職。

5日に行われた新たな首相指名の議員投票で、保守派野党のアヌティン氏が新たな首相に選ばれたことから、タクシン氏は政治的に厳しい立場に追い込まれています。