(ブルームバーグ):9日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=144円台前半に上昇している。米国の雇用統計で賃金が予想を上回ったことによるドル買いが一巡。米中の貿易協議に市場の関心が移る中、いったんドルを売る動きが出ている。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、ドル・円は前週末に145円台の重さを確認したとし、仲値に向けては国内企業のドル買いがやや優勢だったとみられるが、その後は再び上値が重くなっていると述べた。
米中の主要貿易交渉担当者は、中国によるレアアース(希土類)支配を巡る緊張の緩和を目指し、9日にロンドンで再び協議を行う。諸我氏は、前週末は米中協議の進展期待もあり、リスクオンで金利上昇、ドル高、株高となったが、米雇用統計を終えて「様子見姿勢が高まっている」と指摘。「米中共にある程度の結果を出したいところなので、どういった表明がなされるか注目」と述べた。
6日の海外市場で円相場は一時145円09銭と、5月29日以来の水準まで下落。米10年国債利回りは12ベーシスポイント(bp)高い4.51%程度に大幅上昇した。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、米雇用統計が強かった背景について、貿易戦争のまっただ中で「レイオフすると再雇用が難しくなると企業が判断し、様子見したのではないか」と指摘。労働市場の緩やかな鈍化傾向は変わらず、ドル売りの巻き戻しは進まないとの見方を示した。
内閣府が9日に発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率0.2%減と、速報値(0.7%減)から上方修正され、市場予想0.7%減を上回った。ただ、日本銀行による早期利上げ観測は盛り上がっておらず、為替市場への影響は限定的となっている。

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