(ブルームバーグ):欧州連合(EU)統計局は6日、1-3月期(第1四半期)のユーロ圏域内総生産(GDP)確定値は、前期比0.6%だったと発表した。前回改定値(0.3%)の2倍となった。ドイツやアイルランドなどで年後半の米国の関税を見越し、輸出が増加したことが要因だ。
ブルームバーグがまとめたエコノミストらの予想でも、上方修正が見込まれていたものの、大幅上昇を予想したのは2人だけだった。

アイルランドの成長率がほぼ10%と予想外に力強く、ドイツでも想定以上の拡大が見られた。1-3月期の成長に対しては、輸出だけで0.9ポイントの寄与があり、投資も大きな押し上げ要因となった。
この結果は、深刻なショックのリスクにも関わらず、ユーロ圏経済が底堅さを見せていることを示唆している。米国のトランプ大統領は、EUからの輸入品に対して高関税を課す考えを示している上、同氏の度重なる方針転換も不確実性を高めている。
こうした状況に対し、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は5日、「強い労働市場、実質所得の増加、そして本日の利下げを含む借入コストの低下で、消費者や企業は対処可能になるだろう」と述べた。
ECBは5日に発表した最新の経済見通しで、今年の成長率を0.9%、2026年を1.1%、2027年を1.3%と予測している。この見通しは、今年4-6月期に成長が鈍化し、7-9月期には前倒し需要の反動でややマイナスに転じるという想定を含んでいる。
原題:Euro-Area Growth Doubled at Start of Year Thanks to Ireland (1)(抜粋)
--取材協力:Barbara Sladkowska、市倉はるみ、Joel Rinneby、Andrew Langley.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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