レアアースでの協力は日米協議でも焦点
ハイテク製品のチョークポイントでありながら中国依存の大きなレアアースを、どう確保していくかは、西側諸国の経済安全保障にとって、極めて大きな問題です。そこで日米関税協議でも、日米が今後どのように協力していくかが大きな焦点の1つとなっています。
もちろん、日本にレアアースがあるわけではありませんが、西側諸国内での供給網整備や精錬加工技術での協力、さらには日本が得意とする使用量節減や代替品開発などの分野で日米協力が期待されています。
もっともレアアースの問題はセンシティブです。表立って「中国依存脱却で対米協力」などと言えば、中国はより態度を硬化させ供給を絞ってくるかもしれません。民間企業にとっては、より機微に触れる問題です。どの社の、どの部品の調達が苦しいのかがわかるだけで、他社はもちろん、中国側にも、自らの弱みという「秘密」をみすみす教えてしまうことにもなりかねないからです。
レアアースをめぐる攻防は、通商問題の核心として、今後ますます激しさを増すことになりそうです。
播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)