(ブルームバーグ):9月の米消費者物価指数(CPI)の統計で、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の伸びは市場予想を下回った。9月のCPI統計は当初10月15日に発表の予定だったが、政府機関閉鎖の影響で延期されていた。
同統計に関する市場関係者のコメントは以下の通り。
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのリンゼイ・ロズナー氏:
今回のCPI統計に米連邦準備制度理事会(FRB)を『動揺』させる要素はほとんどなかった。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、追加利下げが実施されると引き続き予想している。現在は経済指標の発表が乏しく、FOMCがドットプロットで示した軌道から逸脱する理由はほとんどない。このため、12月の利下げも依然として可能性が高い。
◎リーガン・キャピタルのスカイラー・ウィナンド氏:
インフレ率が予想を下回ったことで、少なくとも今後2回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合における利下げサイクル継続の可能性が一段と強まった。年内に少なくとも2回の0.25ポイント引き下げが実施され、2026年は数カ月分の経済データを確認するためいったん小休止し、その後に利下げを再開すると予想している。
◎ロンバー・オディエ・インベストメント・マネジャーズのフロリアン・イエルポ氏:
データで確認されたのは、米インフレに粘着性があるが徐々に薄れつつあることだ。来年にかけて複数回の利下げがあるとの見方を補強している。
◎Bライリー・ウェルスのアート・ホーガン氏:
朗報が届いた。来週のFOMC会合での追加利下げ路線が明確に維持される。FRBは労働市場の軟化により強い関心を示しており、コアCPIが目標の2%を大きく上回っている状況でも、完全雇用の使命を守る姿勢を維持するだろう。
◎ノースライト・アセット・マネジメントのクリス・ザッカレリ氏:
まるで名探偵シャーロック・ホームズの物語のように、インフレは『ほえなかった犬』だ。多くの市場参加者がインフレ高進を予想し、弱気なポジションを取ってきたが、実際には経済も米企業も、想定以上に底堅く、ショートスクイーズが続く可能性がある。
バリュエーションが高く、市場にはリスクも存在することは理解している。しかし、FRBが利下げに動いており、今回の経済指標も来週の0.25ポイントの利下げを妨げる内容ではなかった。加えて、企業利益が引き続き伸びていることを踏まえれば、今年の強気相場が妨害される可能性は低い。来年には新たな課題が待ち受けているだろうが、年末まで上昇トレンドに逆らうことは勧められない。
◎クリアブリッジ・インベストメンツのジョシュ・ジャムナー氏
衣料品や家具など一部の品目では関税によるインフレの兆しが見られるものの、財全体の価格は9月の上昇ペースが8月を下回った。これは、高関税が消費者価格に転嫁される動きが依然として予想ほど進んでいないことを示しており、減速する労働市場を下支えするためにFOMCが利下げを実施する余地を広げている。
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