トヨタ自動車などのトヨタグループ各社が豊田自動織機に対して株式公開買い付け(TOB)を通じて買収する方針を明らかにした。豊田織は賛同を示しており、実現すれば同社は非上場化される方向だ。トヨタ広報担当者によると、手数料などを含め買収にかかる費用は総額で約4兆7000億円になるという。

発表資料によると、まずグループの不動産会社であるトヨタ不動産が今後設立する会社を通じて豊田織にTOBを実施。買い付け価格は1株当たり1万6300円で複数回の段階を経て非上場化を完了する。TOBは12月上旬に開始を予定しており、トヨタは7000億円、トヨタ創業家出身でトヨタ会長を務める豊田章男氏も10億円を出資する。トヨタの保有分は議決権がない優先株となる。

買収に必要な資金については、三井住友銀行と三菱UFJ銀行、みずほ銀行からの借り入れも充当する。

トヨタは持ち合い解消に向けて、豊田織が所有するトヨタ株を取得することを前提とした自己株TOBも発表した。買い付けに要する資金は約3兆2090億円で豊田織のTOB完了後、2026年1月中旬をめどに開始し、12億株を消却する予定だ。

自動車業界が変革期にある中、トヨタは豊田織の非上場化を通じてグループ内のさらなる連携強化を図り、物流分野などに強い同社がモビリティカンパニーへの進化をけん引していくことへの期待を表明した。一連の取引を通じてトヨタとデンソー、アイシン、豊田通商の間の株式持ち合いは解消されるとしている。豊田氏が出資する理由として、今回の買収へのコミットメントを示すためとしている。

豊田自動織機の長草工場に掲げられたロゴ(愛知県大府市、4月29日)

豊田織の株価は3日の取引で一時前日比1.5%高の1万8535円を付け、ブルームバーグの記録に残る1974年9月以来の最高値を更新。終値は1万8400円で時価総額は約6兆円となっている

企業統治(コーポレートガバナンス)の観点から親子上場や株式の持ち合いに対して市場からは厳しい目が注がれており、国内上場企業の間では解消に向けた動きが広がっている。今回の買収・非公開化がそういった動きをさらに加速する契機となる可能性がある一方、トヨタ創業家によるグループ支配力を高めるだけに終わる恐れもある。

トヨタグループ創業者の豊田佐吉氏が発明した自動織機の製造・販売のために設立され、トヨタの源流にあたる豊田織はトヨタ株の9.07%を保有するほかデンソーやアイシンなどグループ各社の株式も多く持つ。保有する株の価値は自社の時価総額に匹敵する規模で、資本効率の観点から問題視する向きもあった。

(詳細を追加して更新します)

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