(ブルームバーグ):世界最大の資産運用会社ブラックロックは、米国外の個人投資家向けに、プライベートマーケット商品の提供を拡大する計画を加速している。グローバル金融の最も注目される分野への参入に注力する方針だ。
ブラックロックの幹部で、欧州・中東・アフリカ地域ウェルス部門のオルタナティブ投資専門チーム責任者のファビオ・オスタ氏はインタビューで、欧州、中東、アフリカ地域で採用拡大とデジタル投資プラットフォームとの提携を進め、個人投資家のプライベートマーケット商品へのアクセスを強化する方針を示した。
オスタ氏は、具体的な採用目標については明言を避けつつ、「拡大を継続する。プライベートマーケットにさらに多くの人材を配置したい」と述べた。
ブラックロックは、低コストの株式・債券ファンドの提供で先駆的な役割を果たしてきたが、伝統的にレバレッジド・バイアウト(LBO)を得意とするブラックストーンやKKRなどが支配するプライベート・マーケットに焦点を当て、より不透明で排他的な金融分野を制覇しようとしている。
同社は、過去約1年でプライベートアセット企業買収に約280億ドル(約3兆9900億円)を投じ、この分野への参入を加速させている。ラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)が、伝統的な株式60%、債券40%の資産配分では、モデル投資ポートフォリオとしてもはや機能しないと判断したためだ。
ベイン・アンド・カンパニーの最近の調査によると、プライベートマーケットの運用資産は今後10年間で、2012年末時点の3倍以上の65兆ドルに達すると予測されている。
原題:BlackRock Plans Private Market Hires to Win Over Rich Europeans(抜粋)
--取材協力:Loukia Gyftopoulou、Leonard Kehnscherper.
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