中国テンセント・ホールディングス(騰訊)の子会社、テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループが、韓国の大手芸能事務所エスエム・エンタテインメントの株式約10%を約1億8000万ドル(約260億円)で取得することが分かった。近年ではまれな中国から韓国企業への投資となる。

規制当局への提出資料によると、テンセント・ミュージックは韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所HYBE(ハイブ)からエスエム株220万株を1株当たり11万ウォン(約1万1500円)で取得する。

米韓は2016年、韓国国内に地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備することで合意。

これに対する報復措置として、中国は同年、本土でのK-POP公演を非公式に禁じるなど「韓流」コンテンツの締め出しを事実上実施していたが、ここにきておよそ10年ぶりに解除するのではないかとの期待が広がっており、エスエムはテンセント側との関係を通じて中国での音楽配信を再開する可能性がある。

シティのアナリスト、ジョン・ユー氏はリポートで「中韓関係が緩和する兆しが見え始めている」と指摘。来週行われる韓国大統領選挙の候補者で親中派の李在明氏が世論調査でリードしていることを受け、この勢いを後押ししていると述べた。

ブルームバーグ・ニュースはテンセント・ミュージックにコメントを求めたが、回答は得られていない。

原題:Tencent Music Buys SM Entertainment Stake in K-Pop Bet (1)(抜粋)

--取材協力:Dong Cao.

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